性交痛とは?

性交痛とひと言で言いましても、セックスのときに膣の入り口付近が痛む場合には、病的ではない場合が多いです。十分に濡れていない状態で無理に挿入するなどで、傷ついて痛む場合などもあります。挿入時に膣の奥を突かれると痛い、激痛が走るなどの場合、まず子宮内膜症の存在が疑われます。膣の一番奥、子宮のうら側にあたる部分にはダグラス窩という場所があり、ここは子宮内膜症の好発部位です。ここに内膜症病変があると、性交時にこの場所を刺激されて痛みを感じることになります。

また 、子宮筋腫が子宮の後面にできていて、性交時にここにあたるために痛む、子宮やその周辺で炎症を起こしているため、あるいはそれに伴う癒着があるなどで性交痛を感じるということも考えられます。後者については堕胎の経験が在る方は特に注意が必要で、癒着が原因で痛む場合には不妊症との関連もありますので、必ず産婦人科を受診するようにして下さい。

更年期というのは45〜55歳くらいの時期に女性ホルモンであるエストロゲンが欠乏してくる時期のことです。更年期は人によってさまざまな経過をたどり、併せて起こる不快な症状も一様ではありません。更年期の性交痛は肌や粘膜などを正常に保つエストロゲンというホルモンの減少により膣が乾燥するために起こります。膣が濡れにくくなり、膣粘膜がもろくなるのでちょっとした摩擦でも出血し、簡単に炎症が起り、細菌に感染することがあります。

更年期の性交痛の改善には、不足したエストロゲンを足すホルモン補充治療があります。ホルモン補充療法は性交痛のみならずあらゆる更年期症状や、高血圧?高コレステロール?骨粗鬆症などの改善にもつながります。性交痛のみが気になる場合は、弱いホルモン剤で作ったエストロゲンの膣剤もあります。